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02【許可・承認】理解してますか?絶対ルールの「飛行マニュアル」

ドローンの飛行許可・承認申請で提出しなければならない「飛行マニュアル」。
 
申請した経験のある方ならご存知だと思いますが、飛行の際の手順等を記載し、飛行許可を受けたときはこのマニュアルを守って飛ばさなければいけません。
マニュアルの内容を守らないで飛ばした場合は違反飛行となりますので注意が必要です。
 
 
 

【代用可能な標準マニュアル】

 
飛行マニュアルは本来、申請者が作成しないといけないのですが、国土交通省が用意した「航空局標準マニュアル」を使用できます。
申請時に選択するだけで済むため、ほとんどの方が標準マニュアルを使っているようです。
 
引用元:国土交通省 ドローン情報基盤システム2.0
 
 
 
ここでは標準マニュアル、とりわけ申請が多いと思われる飛行場所を特定しない「包括申請」用のマニュアルについて、押さえておきたいポイントを紹介します。飛行が制限されているケースが多いことがわかります。
 
 
 

【押さえておきたいポイント】

 
このマニュアルでは、「無人航空機の安全な飛行を確保するために少なくとも必要と考えられるもの」としたうえで、以下の3点について必要な手順等が記載されています。
 
1)無人航空機の点検・整備
2)無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項
3)安全を確保するために必要な体制
 
このうち飛行させる者の訓練及び遵守事項では、基本的な操縦技量の習得として、十分な経験を有する者の監督の下で「10時間以上」の操縦練習の実施を求めています。
この「10時間以上」の飛行経歴は許可・承認申請の審査基準の一つにもなっています。
 
10時間というと短いようにも感じますが、バッテリー1個あたりの飛行時間を20分としても30回以上の飛行回数が必要です。充電にも時間がかかりますので、実際には思った以上に時間が必要です。
 
練習場所も許可等が不要な場所又は訓練のために許可等を受けた場所とされ、練習場所も限られてきます。
 
時間、場所とも個人で確保するのは結構大変です。しかも標準マニュアルでは「十分な経験を有する者の監督の下」での操縦訓練を求めており、一人で漫然と練習するだけでは「違反」ということになります。
 
安全な飛行のためにも十分な操縦練習を心がけたいものです。
 
 
 

【飛ばせないケースに要注意】

 
このほか、マニュアルでは飛ばせないケースも記載されています。間違いやすいケースをいくつか紹介します。
 
・第三者の上空
・風速5m/以上
・第三者の往来が多い場所や学校、病院、神社仏閣、観光施設などの不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近
・高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近
・高圧線、変電所、電波塔、無線施設などの施設上空及びその付近
・人又は家屋が密集している地域の上空での夜間飛行
・夜間の目視外飛行
 
許可・承認を受けた夜間飛行、目視外飛行についても「操縦者は訓練を終了した者」と限定し、特に夜間飛行については以下のように厳しく制限している。
 
・機体の向きを視認できる灯火が装備された機体を使用
・機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定
・飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況のみでの飛行を実施する
・夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所に十分な照明を確保する
 
飛行許可・承認の申請時にチェックを入れれば提出される標準マニュアルですが、違反しないためにも中身をよく理解したうえで使用したいものです。
できれば印刷して、いつでも読めるようにしておくことをおすすめします。
 
 
 

【個別申請用のマニュアルも】

 
なお、以下の飛行を実施する場合は「場所を特定した」申請として飛行許可・承認を得る必要があります。その場合、場所を特定した個別申請用の飛行マニュアルを提出する必要があります。
・空港等周辺における飛行
・地表または水面から150m以上の高さの空域における飛行
・人又は家屋の密集している地域の上空における夜間飛行
・夜間における目視外飛行
・補助者を配置しない目視外飛行
・趣味目的での飛行
・研究開発目的での飛行
 
人又は家屋の密集している地域の上空で夜間における目視外飛行、催し場所の上空における飛行に該当する場合は、場所に加えて「日時」も特定する必要があります。